花粉やPM2.5を家づくりで防ぐ!住まいの換気システムについて
今や日本の国民病とも言われる花粉症。花粉の時期になると、マスクや眼鏡をしたり、洗濯物を室内干しにしたりと、花粉を家に入れないように工夫している人も多いと思います。最近では、PM.2.5や黄砂の飛散も話題となり、対策や健康被害が気になるところです。
そこで、花粉やPM.2.5の侵入を防ぐ家づくりと、重要な役割を果たす換気システムについて紹介します。
自宅にいても花粉・黄砂・PM2.5は要注意
花粉の季節、室内にいるのに、くしゃみが止まらない、目がかゆいといった症状がおさまらないことありませんか?花粉は自然界のものなので外では仕方ないと諦めても、家では花粉を気にせずゆっくりと過ごしたいものです。
花粉や黄砂、PM2.5はどのように室内に入ってくるのでしょうか。すぐにできる対策と合わせて解説します。
■自ら持ち込む
花粉、黄砂やPM2.5は、衣服、体や髪などいたるところに付着します。それらを自らが持ち込んでいる場合があります。
家に入る前に、衣類などについた花粉をよく払い落としましょう。ウール素材の服には、花粉などがつきやすいと言われているため、綿やポリエステル素材を選ぶのも良いでしょう。また、静電気は花粉などを引き寄せてしまうため、柔軟剤や静電気防止スプレーを使うのもおすすめです。
■洗濯物に付着する
洗濯物は花粉の温床と言っても過言ではありません。
濡れた衣類は花粉が付着しやすく、乾いていくうちに繊維の奥まで入り込んでしまい、表面も中も花粉だらけという状況になりかねません。そのため、花粉の飛散が多い時期は室内干しがおすすめです。しかし、家の構造上難しかったり、外に干したいという人もいると思います。
外干しするなら飛散量の少ない午前中に干す、柔軟剤を仕上げに使い花粉が付着しにくくする、取り込む際にしっかりと払い落とすなど、少しでも室内への侵入を防ぐようにしましょう。
■隙間から入り込む
スギやヒノキなどの花粉のサイズは直径30~40μm、黄砂は約4μm、PM2.5は2.5μm以下。サイズを聞いてもイメージしにくく、目に見えないため実感がわきにくいですが、どれも極めて小さく、網戸の隙間は簡単に通り抜けます。扉を開けたり換気扇をまわしたりした時だけでなく、ありとあらゆる隙間から入ってきます。
入り込む隙間を減らすために、換気口に花粉やPM2.5対応のフィルターを取り付けるのも良いでしょう。また隙間を埋めるテープやシートを活用するのもおすすめです。
■掃除が不十分
一度家に入り込んだ花粉や黄砂、PM2.5が勝手に出ていくことはありません。こまめに掃除をして、取り除きましょう。
花粉が空気中に舞わないように、家電製品はモップがけ。フローリングなどは水拭きしてから掃除機がけの順番が鉄則です。ソファやクッションなども専用ノズルを使って、掃除機がけをするのがおすすめです。洗濯物も放置せず、こまめに洗濯をしましょう。
そして、掃除機、エアコンや空気清浄機のフィルター、洗濯機なども定期的に掃除し、清潔な状態をキープしましょう。
花粉・黄砂・PM2.5の人体への影響と確認方法
花粉症は、誰もが発症する可能性があるとされています。黄砂やPM2.5も長く吸い続けることで、体に様々な悪影響を及ぼすことが考えられます。
■花粉、黄砂、PM2.5のリスク
花粉、黄砂、PM2.5は、鼻や目、喉などの粘膜を刺激することで、様々な症状を引き起こします。かゆみ、喉の違和感、咳のほか、人によっては頭痛や倦怠感を感じる場合もあります。さらに、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギーなどの症状が悪化することもあるそうです。
特に、ゴミなどの焼却から直接発生したり、様々な化学物質、排気ガス、河川や土壌で汚染された物質と空気中で混ざったりすることで発生するPM2.5は、健康への影響が心配されています。粒子が非常に小さいことから、肺の奥まで入り込み、肺がんや循環器系を引き起こすとも言われているため注意が必要です。
■大気汚染物質広域監視システム「そらまめくん」
環境省は、大気汚染物質広域監視システム「そらまめくん」に、全国の大気汚染状況の速報値を掲載しています。「そらまめくん」では、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントや、PM2.5の飛散量を知ることができます。また、黄砂の飛来状況もサイトで発信しています。
花粉の時期になると、気象庁が認可した予報業務許可事業者が飛散予測を発表していますので、ぜひ参考にしてみてください。
■空気質測定器
花粉や黄砂、PM2.5対策としてだけでなく、室内の空気環境を綺麗に保つことは、健康のためにも必要不可欠です。空気質測定器を使って、室内空気の汚れや空気の状態を把握するのも良いでしょう。通販サイトや家電量販店でも販売されていますが、検査できる項目が様々ですので、知りたい情報が得られるかを確認して購入してください。
<世界保健機関(WHO)がリストアップしている室内空気汚染物質>
温度、湿度、PM2.5、PM10、二酸化炭素、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、カビ、TVOC(総揮発性有機化合物)、オゾン、IAQ(室内複合指数)、OUT(室外複合指数)
専門業者に検査を依頼したり、新築の際は施工会社が検査してくれたりするサービスもありますので聞いてみてください。
花粉・黄砂・PM2.5に強い家づくり
健康リスクが高い花粉・黄砂・PM2.5はできるだけ家に入れたくないですよね。侵入を減らし、快適な住環境と健康を守る家づくりのポイントを4つ紹介します。
■玄関にシューズクローゼットを設ける
玄関に、大きめの収納を設置しましょう。
靴だけでなく、コートや上着、帽子などが掛けられるスペースがあると良いでしょう。換気システムを導入したり、洗面台をクローゼット近くに設置するのもおすすめです。クローゼット内に花粉などを閉じ込め、くつろぎの空間となるリビングや寝室に侵入させないように注意しましょう。
クローゼットの床や壁、天井は掃除しやすい建材を選ぶのもポイントです。自然素材の無垢材なら、殺菌作用や消臭効果も期待できます。
■ランドリールーム(室内干しスペース)を設ける
室内干しができるランドリールームを設置しましょう。
専用スペースがあれば生活の邪魔にもなりません。脱衣所や洗濯機置き場の近くに設けると、作業もラクになります。
ランドリールームは湿度が高くなるため、乾きやすく掃除しやすい建材を使用するようにしましょう。調湿性のある珪藻土や漆喰、無垢材などがおすすめです。また、耐水性のあるタイルも良いでしょう。また、空気清浄機や除湿器を設置するのも良いでしょう。
■高気密住宅を選ぶ
窓枠、床、天井、壁などに防湿シートや断熱材、気密テープなどを使用し、隙間を極力つくらないようにして建てられている高気密住宅も、花粉・黄砂・PM2.5の侵入を防ぐ対策としては有効と言えるでしょう。
気密性が高い住宅は、空気を入れ替えるための換気システム導入とセットで検討する必要があります。
■換気システムを選ぶ
家の構造やライフスタイルに合った換気システムを選びましょう。
換気の方法は2種類あります。風圧や室内外の温度差を利用して換気する「自然換気」と、機械設備によって強制的に換気する方法「機械換気」です。この2つの換気方法を組み合わせた3種類の換気システムが、様々な建物に導入されているそうです。
<換気システムの種類>
第1種換気:機械給気・機械排気
第2種換気:機械給気・自然排気
第3種換気:自然給気・機械排気
24時間換気システムは、第1種または第3種が多く使われています。
初期投資コストやランニングコストがかかる、室外温度の影響を受けやすい、温度を一定に保ちやすいなど、メリット・デメリットはそれぞれにありますが、花粉や黄砂、PM2.5の侵入を防ぐには、給気も排気も機械で行なう「第1種換気システム」が良いと言えるでしょう。
健康に配慮した家「健康太郎の家」には、独自機能付きの第1種換気システムがあります。
第1種換気システムに熱交換器を設置することで、室内の温度を一定に保ったまま換気ができるようになっています。機械の導入でコストが気になる人もいらっしゃるかもしれませんが、高気密高断熱住宅に導入することで、光熱費を年間約20万円も削減できた事例もあります。長く住み続けるために、最適な換気システムを選ぶようにしましょう。
綺麗な空気を維持しやすい住まいづくりを
花粉・黄砂・PM2.5は、いとも簡単に室内に入り込むだけでなく、排除しない限り居続けようとします。知らず知らずのうちに室内の空気環境を悪化させ、健康に様々な影響を及ぼすことがわかりました。
100%防ぐことは難しいと言えますが、シューズクローゼットやランドリールームの設置、外の空気環境に左右されにくい第1種換気システムの導入など、家づくりを工夫することで、入り込む量や体への影響を軽減することができるでしょう。
花粉・黄砂・PM2.5の侵入を防ぎ、綺麗な空気を維持しやすい住まいでの快適で健康的な暮らしを手に入れましょう。
なお、栃木県で家づくりを検討されている方は、ぜひ「健康太郎の家」にご相談ください。家づくりは化学物質が発生しにくい天然素材を使用し、花粉やハウスダストを除去しやすい家づくりをご提案できます。ご予算・ご要望に応じた住まいをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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