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心と体、建物の免疫力を高める家づくり
建築コラム
2024/01/12

心と体、建物の免疫力を高める家づくり

家などの建物も、免疫力が必要なことをご存知ですか?
人の体における免疫とは、外から体内に侵入した細菌やウイルスなどから体を守る仕組みのことです。では、建物における免疫とは一体何なのか?建物の免疫力が人の健康に与える影響と、免疫力を上げる方法について詳しく解説します。
 

室内において健康を妨げる様々な要素

室内において健康を妨げる様々な要素
建物における免疫とは、耐震性や耐久性といった建物の構造だけでなく、建物を利用する人の体や心の健康に悪影響を及ぼす様々な要素も含んでいます。3つの視点で、この要素を説明していきます。

■「身体」に関すること
・室内空間の汚れ
室内は、ホコリやチリ、ダニやカビ、食べ物のカスなどのハウスダスト、花粉やPM2.5など屋外から侵入してくるもの、タバコの煙や吐き出される息に含まれる有害物質で汚れていきます。空気汚染により、アレルギー症状や呼吸器系疾患を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。

・日光浴不足や運動不足
コロナ禍での外出自粛やテレワーク推進により、家で過ごす時間が急増したという人も多いと思います。また、出不精や不活動から抜け出せない人や、家から一歩も出ず1日を過ごす「引きこもり高齢者」も増加していると言われています。日光浴不足や運動不足により、骨や歯などの弱体化、筋力や心肺機能の低下してしまうことがあります。

・睡眠環境の悪化
慢性的な睡眠不足、寝坊や夜更かしなどの睡眠習慣の乱れは、仕事や家事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすだけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の罹患リスクを高めると言われています。また、最近の調査では、子どもの睡眠習慣は、成長の遅れや注意・集中力の低下のほか、うつ病などの発症率を高めることもわかってきました。

■「ストレス」に関すること
・人間関係
ある調査では、ストレスの原因は「職場や学校での人間関係」と「家庭内での人間関係」が70%以上、友人や近所の人を含めると約85%もの人が、ストレスの原因に人間関係と回答しています。家で過ごす時間も、頭から離れないという人も多いのではないでしょうか。

・家の導線(生活導線)
必ずリビングを通る配置は、帰宅時や外出時に家族とのコミュニケーションがとりやすくなり人気です。しかし、わざわざリビングを通らなければいけない、来訪者がいる時は通りにくいといったなど、ストレスの原因になっていることもあります。

・パーソナルスペースを守りにくい環境
パーソナルスペースとは、人と人が接する際に不快に思わない距離のことを言います。家族や恋人であっても、距離が近すぎる場合はストレスを感じる人も多くいます。

■「住まい」に関すること
・空気の循環がよくない
空気の流れが悪く、換気がしづらいということは、家の中の空気が汚染されている。もしくは、家の空気が汚染されやすいと言えます。

・掃除しづらい。掃除がされていない
床に物が直接置かれていたり、壁や床に段差が多い家は掃除が大変です。掃除しづらいと、掃除が面倒になり、汚れが蓄積されていくという、悪循環を生み出しかねません。

・断熱効果が弱い
外気の影響を受けるため、部屋によって室温に差が出たり、冷やした(温めた)空気が外に逃げてしまうこともあります。温度差が大きいと結露が起きやすく、カビが発生しやすくなり家の劣化につながります。

・浴室や脱衣所が寒い
冷暖房器具が設置されていないことが多い浴室や脱衣所は、リビングとの温度差が大きくなります。温度差により血圧が乱高下し、脳内出血や心筋梗塞、脳梗塞といった命の危険に及ぶ病気を引き起こしてしまう場合があります。これがいわゆる「ヒートショック」で、特に冬場は注意が必要です。

・上着・コートの脱衣スペースが遠い。玄関から洗面所までが遠い
玄関近くに脱衣スペースや衣類を掛ける場所がなかったり。洗面所が部屋の奥に位置すると、ウイルスや細菌、花粉など空気汚染の原因物質を自ら室内に持ち込むことになります。

家の中には、外から侵入するものを含めて、免疫力を低下させ健康を妨げる要素が、たくさんあることがわかりました。では、免疫力を上げ、体と心の健康を守るためには、どんな家づくり、空間づくりをすれば良いのでしょうか。
 

体の健康を支える家・住まいづくり


体の健康を妨げる問題を解消し、体の健康を支える家づくりには何が必要なのか。重要な3つのポイントを紹介します。

■換気システムを導入する
キレイな空気環境をキープするには、こまめな換気が必要です。しかし、窓を開けることで、花粉やPM2.5などの侵入が心配という方もいらっしゃると思います。建築基準法で、24時間換気システムの導入が義務付けられていますが、家の構造によっては不十分な場合があります。そんな時は、換気システムの導入がおすすめです。
様々な換気システムがありますが、「健康空気24時間換気システム」は、床下から天井裏までの温度は約23℃、湿度は約40〜60%に保つだけでなく、約2時間に1度程度で空気が循環するという調査結果が出ています。
体と家の免疫力を上げるために、換気はもっとも重要な要素と言っても過言ではありません。

■気密高断熱で夏は涼しく、冬は暖かをキープする
室内の空気が室外に逃げにくい高気密性と、外の気温の影響を受けにくい高断熱制という2つの機能を兼ね備えることで、1年を通して快適な室内環境をつくることができます。冷暖房機器も効率的に使用できるため、省エネ効果も期待できます。

■ウイルス対応ルームの設置する
ウイルスや細菌を室内に持ち込まない家をデザインすることも重要です。帰宅後すぐに、コートや上着、ズボンなどを着替え、うがいや手洗い、アルコール除菌などができるスペースを設けるのがおすすめです。リビングや寝室を経由しない、玄関まわりにスペースを確保することで、室内の空気汚染を抑えることができます。

他にも、扉付きの収納スペースを確保したり、自然素材や掃除しやすい素材を使用したりするのも良いでしょう。
室内環境をキレイに保つこと。そして、体に負担をかけないよう室内の温度差を小さくし、一年中快適に過ごせることが、体の健康を支える家づくりに必要なことです。
 

心の安心・安全を守る空間づくり

心の安心・安全を守る空間づくり
心の健康を妨げる問題を解消し、心を支える家づくりには何が必要なのか。重要な3つのポイントを紹介します。

■スペースの使い方を工夫する
・ダイニング
家族の会話が楽しめる、カウンターキッチンを設置するのがおすすめです。子どもの遊んでいる姿を見守れたり、一緒に料理を作ったり、過ごし方の幅が広がります。カウンターキッチンは手元が隠れるデザインを選べば、急な来客があっても安心です。

・リビング
ゆったりと座れるソファを配置したり、クッションやブランケットを多めに置くなどして、リラックスした空間にするのも良いでしょう。

・パーソナルスペース
1人部屋を確保するのが難しい場合でも、メイン導線から外れた場所や、家族の視線を遮れる場所に空間を設けることで一定の距離を保つことができます。本を読んだり、趣味を楽しんだり。気分転換ができ、好きなことができるスペースを設けてみてください。おうち時間が充実するはずです。

■生活のしやすさを考える
・収納スペース
クローゼットを設けるだけでなく、整理整頓しやすいデザインを取り入れましょう。扉、棚やポールを設置するのもおすすめです。片付けだけでなく、探しやすさや取り出しやすさを考えることも大切です。

・水回り
キッチン、バスルーム、洗面所などの水回りは、使い勝手やオシャレさだけでなく、手入れのしやすさを忘れてはいけません。汚れがつきにくく掃除のしやすい素材、デザインを選ぶのも重要です。

■自然を取り込む
・採光と風通し
太陽の光を感じたり、自然の風が肌に触れるのは気持ち良いものです。方角や立地を考慮しながら、窓の位置や大きさを考えてみてください。また、換気の観点からも、室内の風の流れは大切なチェックポイントです。

・ウッドデッキや中庭
ウッドデッキや中庭は、空間を広く見せることができます。さらに、第2のリビングとして家族団らんのスペースとして利用することもできます。間取りにこだわりすぎず、室内空間との一体感や家具の配置、どのような使い方をしたいかなど、過ごす時間を想像しながらデザインするようにしましょう。

他にも、好きな色やインテリアを取り入れたり、趣味のスペースを設けたりすることで、安らぎを感じ、リラックスできる空間にしましょう。
団らんスペースとパーソナルスペースを両立し、生活のしやすさを考えること。そして、自然や好きなものを取り入れることが、心の安心と安全を守る家づくりに大切です。
 

長く快適に住み続けられる家とは

長く快適に住み続けられる家とは
日本の家の寿命は約30年というのをご存知ですか?アメリカは55年、イギリスの77年と比較しても圧倒的に短いことがわかります。地形や地質、自然条件や地震の発生頻度などの影響もあると言われていますが、せっかく家をつくるなら、快適に長く住みたいと思うものです。
そこで、建物の免疫力を高め、人が健康に長く住める家づくりのポイントを紹介します。

■ライフスタイルの変化に対応できる間取り
子どもの誕生、成長、独立、そして歳を取ってからの生活や介護。将来をしっかり見据え、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる間取りにしましょう。

■耐震性や耐久性
地震が多い日本では、耐震性は家づくりにおいて欠かせないポイントです。また雨風や紫外線などの自然の影響だけでなく、生活をするだけでも家は劣化していきます。耐久性の良い素材や構造を選ぶことも大切です。

■気密性や断熱性
寒暖差が大きく高温多湿の日本は、結露が発生しやすく、カビなどによる家の腐食や劣化が進みやすいと言われています。高気密高断熱にすることで結露の発生を防ぐだけでなく、夏は涼しく、冬は温かい室内環境をキープし、1年中快適に過ごせるようになります。

■バリアフリー
バリアフリーと聞くと、介護シーンをイメージするかもしれません。しかし、小さな子どもの安全を確保し、歳を重ねた時の生活のしやすさ、毎日の掃除もラクにしてくれます。どの世代にも暮らしやすい空間と言えます。

■周辺環境
駅からの距離、隣近所の様子、街の雰囲気は気になると思います。それ以外にも、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、公園や学校、病院があるかも重要です。車や自転車での移動ができるいまの暮らしだけでなく、老後のことも考えて周辺環境をチェックするようにしましょう。

■定期的なメンテナンス
家も年齢を重ねていきます。毎日の掃除だけでは、どうしても行き届かない部分も出てきます。ヒビ割れはないか、色あせや塗装のはがれはないか、取り入れた設備はきちんと機能しているかを定期的に点検し、気になることがあれば早めにメンテナンスを施しましょう。特に、紫外線や雨風にさらされている屋根や外壁は、傷みやすいです。

快適に長く住み続けるためには、定期的な点検を行い、必要に応じて再塗装や屋根材や外壁材の張り替えといったメンテナンスを施しましょう。
 

最適な家づくりで家族の健康を守りましょう


私たち人間は、体と心の健康のために免疫力を上げる必要があります。同じように、快適に過ごせる家であり続けるためには、家の健康を考え、免疫力を高めていく必要があります。耐震性や耐久性などの構造、空間配置や生活導線、収納などの設計・デザイン、キレイな空気を保つための換気システムの導入、自然との共存など、家の免疫力を高める方法はたくさんあります。
ライフスタイルや立地・環境に合った最適な家をつくり、家族の体と心の健康、快適な暮らしを手に入れましょう。

なお、栃木県で家づくりを検討されている方は、ぜひ「健康太郎の家」にご相談ください。室内の空気環境を快適に保ち、ストレスフリーで過ごせる家づくりをご提案します。ご予算・ご要望に応じた住まいをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
>>【健康太郎の家づくりについて詳しくはこちら】

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