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ヒートショックを防ぐ家づくり 症状と対策
建築コラム
2024/02/15

ヒートショックを防ぐ家づくり 症状と対策

ヒートショックとは?

ヒートショックとは、急激な温度変化による血圧の急変動が原因でもたらされる健康リスクのことです。

暖房のきいた暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動した時、寒い脱衣所から熱い浴槽に入った時など、温度差により血管が収縮や拡張することで血圧が乱高下。心臓や血管に大きな負担がかり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞といった重大な疾患を引き起こすとされています。後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ったりするケースもある、非常に恐ろしい症状がヒートショックです。

健康や美容、リラックスの効果があると注目されるサウナ。「サ活」「ととのう」という言葉が生まれるほどブームになっていますよね。高温多湿のサウナ室内から冷たい水風呂に入ったり、外気浴に移ったりする際には、急激な温度変化・血圧の急変動があるため、ヒートショックに注意する必要があると言われています。

ヒートショックの影響を受けやすい人

高齢者

体温調節機能が低下すると言われる65歳以上の高齢者は、特にヒートショックの影響を受けやすいとされています。体の冷えやお湯の熱さを感じにくくなっていることから、気づかないうちにヒートショックが起きやすい環境に身を置いている可能性があります。特に、入浴時は注意が必要です。

基礎疾患のある人

高血圧・糖尿病などの生活習慣病のある人も、基礎疾患により動脈効果を引き起こす可能性が高まっているため注意が必要です。また、入浴することでカロリーが消費され低血糖を起こすこともあるそうです。

肥満・睡眠時無呼吸症候群・不整脈のある人

体温調節が難しくなると同時に心臓への負担が増加する肥満の人、高血圧との関連性が分かっている睡眠時無呼吸症候群の人、心拍数の増加が問題とされる不整脈がある人も影響を受けやすいと言われています。

若いから、健康だから大丈夫と油断してはなりません。基本的には温度差と血圧が関係しているため、誰もが症状を引き起こす可能性があります。血糖値が上がっている食後・飲酒後は、若い人でもリスクが高まると言われています。

ヒートショックを予防するには?

食後や飲酒後すぐの入浴は避ける

ヒートショックは温度差を少なくすること、血圧の急変動を抑えることで予防できると考えられています。今すぐにできる対策5つをピックアップしました。

血圧や体温が変化しやすいため、食後・飲酒後すぐの入浴は避けましょう。ヒートショックのリスクが高まるだけでなく、消化不良を引き起こす可能性もあります。飲酒をしていない場合でも、食後、最低でも1時間ほど空けると良いと言われています。また、医薬品服用後すぐの入浴も控えた方が良いでしょう。

熱いお湯は避け、10分以上つからない

ヒートショック対策としてのお湯の温度は38~40度、お湯につかる時間は10分以内が推奨されています。41度以上になると事故が増え、42度以上になると心臓に負担をかけるそうです。血圧を一定に保つためにも、温度・時間はぜひ参考にしてください。また、掛け湯をしたり、足先など末端から温めるのもおすすめです。

体内の水分が失われると心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなるため、入浴前後は水分補給もしましょう。

ゆっくり立ち上がる

温度差による血管の収縮・拡張に目が行きがちですが、お湯によってかかる水圧も見逃してはいけません。体に水圧がかかっている状態から急に立ち上がると、血管が急激に拡張して脳への血液が減って貧血状態となり、めまいや立ちくらみ、吐き気を引き起こしたり、意識障害が発生したりすることがあります。浴槽の出入りはゆっくりと慎重に行いましょう。

脱衣所・洗面所を温めておく

温度差を少なくするために脱衣所や洗面所にヒーターを置いたり、お風呂場のドアやフタを開けたりして温める工夫をしましょう。浴室全体を温めるためにシャワーでお湯をはるのもおすすめです。

冷たい廊下は厚手のスリッパや靴下で移動

暖房器具がない廊下やトイレ、洗面所には厚手のスリッパを用意しましょう。“冷たい”と思いながら素足で歩くのは危険な行為です。

ヒートショックは入浴時に起こるイメージが強いかもしれませんが、夜中に目が覚めてトイレに行く時、暖かい部屋から急に廊下に出たりすると時も冷っとしますよね。ゴミ捨てなど薄着で出かけがちなちょっとした外出時にも起こるとされています。面倒でも、しっかりと対策をしてから行動しましょう。

家づくりで考えるヒートショック対策

ヒートショックを防ぐ家づくり 症状と対策

浴室暖房乾燥機の設置

ヒートショックが起こりやすい浴室での対策は必要不可欠と言えるでしょう。高齢者の方も安心してお風呂に入れるように、浴室暖房乾燥機の設置を提案します。急激な温度変化を防ぐことでヒートショックのリスクを低減させるだけでなく、入浴後に急激な冷えを感じにくくなります。

また、乾燥機付きにすることでハウスダストの原因となるカビの発生を防ぐことにもつながり、快適で衛生的な浴室環境を整えることができます。

高気密高断熱

外部の気温の影響を受けにくく、内部の温度を一定に保ちやすい機密性・断熱性の高い家づくりもおすすめです。季節や天候に左右されず、室内環境を安定させやすいため、ヒートショック対策としてはもちろん、アレルギー、喘息などの疾患を引き起こすハウスダスト対策にも力を発揮します。

高気密・高断熱の家づくりでは、換気システムの導入も同時に検討しましょう。

窓の断熱性アップ

窓などの開口部から約6割の熱が流出すると言われています。室内を暖かくキープするために、部屋の中の熱を逃さないことも重要なポイントです。窓対策は、グッズ購入・設置だけですぐにできることも多いので、ぜひ取り入れてくださいね。

  • 断熱シートや隙間テープを貼る
  • 厚手のカーテンを取り付ける
  • 二重窓を設置する

空調システムで家全体を快適に

健康、省エネ、安全・安心の「健康太郎の家」では、快適な室温環境を保つために独自開発した第1種熱交換換気システムを導入しています。特許を取得したシステムにより、まるで魔法瓶のような断熱機能を備えた家づくりが可能。1年中快適に過ごせて、省エネ効果も期待できます。

他にも、家全体を床暖房にしたり、天井や壁、床に断熱材を入れたり。玄関と廊下の間に仕切りを設けるのもおすすめです。

ヒートショックから家族を守る家づくり


急激な温度変化による血圧の急変動が原因で引き起こされる、ヒートショック。高齢者に多いと思われがちですが、誰でも発生する可能性があることをお伝えしました。

ヒートショックは、部屋ごとの温度差が少なくなるように室内環境を整えたり、入浴時はお湯の温度設定やつかる時間を調整したり。窓まわりに対策するなど工夫することで予防ができます。もし、これから家を建てることや建て替えを検討されているなら、高気密・高断熱の家づくり、家全体の温度が一定に保てる設計、換気・空調システムについてプロに相談するのもおすすめです。

大切な家族の健康と快適な生活を守るために、ヒートショック対策について考えてみてくださいね。

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