シックハウスを予防!化学物質を避ける家づくり
家に帰ると目がチカチカする、喉が痛くなったり咳が出たりする。室内で長い時間を過ごすと頭痛や動悸、めまいがする。こうした症状に悩んでいませんか?もしかしたら、シックハウス症候群かもしれません。放置しておくと症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
今回は、家の中にあるシックハウス症候群の原因と対策、現代の家の課題と解決策を紹介します。
一般的な家づくりの建材に含まれる化学物質
シックハウス症候群は、住宅に使われる建材などから発生する化学物質が原因となって引き起こされる、様々な病気の総称です。
蒸発しやすく、大気中で気体となる化学物質のことをVOC(揮発性有機化合物)と言い、シックハウス症候群の原因となる物質の多くは、VOCに分類されます。
■化学物質が潜む場所
「ホルムアルデヒド」は、シックハウス症候群の原因としてよく知られている化学物質で、合板や集合板、壁紙の接着剤、防菌・防虫剤の中にも含まれています。
防カビ剤には「アセトアルデヒド」、内装材や家具などの接着剤・塗料には「キシレン」や「エチルベンゼン」など、病気を引き起こす可能性がある化学物質が、家の様々な場所で使用されています。
化学物質を含まない天然の無垢材を使用することは、シックハウス対策としては有効と言えます。ワックス塗装をする場合は、成分を確認し、化学物質が使用されていないワックスを選ぶようにしましょう。
■シックハウスは海外でも社会問題
アメリカやヨーロッパなど海外においても、室内環境の汚染によるシックハウス症候群やシックビルディング症候群は問題となり、細かなルール設定や使用規制が設けられている国もあります。
日本では、健康被害の拡大を受けて2003年に建築基準法が改正されました。現在は、「ホルムアルデヒド」には厳しい使用基準が定められ、防蟻剤の「クロルピリホス」も使用制限が設けられました。さらに、24時間換気システムの導入も義務付けられました。しかし、近年の気密性の高い住宅や家の構造では、換気が十分ではない場合もあると言われています。
■洗剤・柔軟剤、カビやダニも原因
家の中には、建材に使用される化学物質以外にも、シックハウス症候群の原因となるものは多く存在します。
・洗剤や柔軟剤による香害
食器用洗剤、洗濯用洗剤や柔軟剤、化粧品に含まれる合成香料も化学物質で、さまざまな健康被害の原因と考えられています。芳香剤や床用ワックスなども注意が必要です。
・室内空気の汚染
シックハウス症候群は、室内に放散された化学物質により汚染された空気を吸い続けることによって発症すると言われています。気密性の高い住宅が増えたことで十分な換気がされず、化学物質をはじめ、カビやダニ、ハウスダストなど室内空気を汚染する様々な物質が滞留していることも原因と考えられます。
■シックハウス症候群や化学物質過敏症の症状
同じ家で暮らしていても、症状が出る人と出ない人がいます。発症するタイミングも様々で、新築の家での生活をスタートした時、家のリフォームをした後、新しい家具などを購入・設置した後、そして害虫の駆除作業を行なった後などが多いと言われています。
<主な症状>
皮膚のかゆみ、湿疹
目がチカチカする
喉の痛み、咳
鼻水、くしゃみ
息苦しさ
動悸やめまい
倦怠感、疲労感
シックハウス症候群と同じような症状が出る病気に、化学物質過敏症があります。シックハウス症候群の場合は室内で症状が出ますが、化学物質過敏症は、室内外問わずあらゆる環境で化学物質に反応します。もし、屋外に出ても症状が続くようなら、化学物質過敏症の可能性もあります。
シックハウス症候群や化学物質過敏症をどう防ぐか
症状を引き起こさないためには、化学物質を室内に入れないこと、綺麗な空気環境を保つことです。そこで、家づくりと日常でできる対策を紹介します。
■VOC(揮発性有機化合物)を含まない素材や建材を使用
VOCの成分は様々で、主なものだけでも200種類あると言われています。天井、壁、床、屋根裏・床下などあらゆる場所に目を配り、断熱材や塗料、接着剤、ワックスなども成分を確認するようにしましょう。
現在は、ホルムアルデヒドを発散する建築材料について、JIS、JAS、国土交通大臣認定の「F☆☆☆☆(エフフォースター)」という規格が設けられています。発散が少ない順に「F☆☆☆☆」「F☆☆☆」と、等級付けられているため、安全性が認められている「F☆☆☆☆」を選ぶのが良いでしょう。最近は建材だけでなく、家具でも等級表示をしているので参考にしてみてください。
自然素材の無垢材、天然素材の塗料や接着剤などを使用することで、室内でのVOC発生原因を減らすことが大切です。
■こまめな換気(通風と換気)
シックハウス症候群の予防には適切な換気を行い、綺麗な空気環境を保つことも重要です。特に新築やリフォーム直後の家は、こまめに換気をしましょう。
建材から発生する化学物質だけでなく、ハウスダスト、洗剤や柔軟剤なども空気汚染の原因と言えます。24時間換気システムは常に運転し、窓をあけて換気をしましょう。家づくりでは、対角線上に窓を設置するなど風の通り道をつくり、空気が流れるデザインを取り入れましょう。
■ソファ、カーペットの掃除
布類は、空気中に漂うニオイや化学物質を吸着します。専用のノズルをつけて、こまめに掃除機をかけるのが良いでしょう。カバーが外せる場合は、洗濯がおすすめです。また、カーペットは洗える素材を選ぶのも良いでしょう。
■エアコンフィルター、換気扇、空気清浄機の清掃
汚れがたまっていると機能が低下するだけでなく、汚れた空気が室内に流れ込むことで、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。化学物質やハウスダストなどを吸い込んだであろうエアコンのフィルター、換気扇、空気清浄機は定期的に掃除し、清潔な状態を保ちましょう。これから購入する場合は、機能に加えて掃除のしやすさも確認しましょう。
快適性と換気の両立
シックハウス症候群が大きな社会問題になったのは、住環境の変化や家の性能アップも関係していると言えます。現代の住宅が抱える問題と、家づくりにおける改善策を提案します。
■高気密高断熱住宅と優れた換気システム
室内の温度や湿度を一定に保つ高気密高断熱の住宅は、生活に快適さをもたらしてくれました。ヒートショック予防、冷暖房効率のアップや省エネなど、様々なメリットを受けることができていますが、実は、空気が入れ替わりにくいというデメリットもあるのです。シックハウス症候群が大きな社会問題にまでなったのは、こうした背景もあるのかもしれません。
法律で義務付けられている24時間換気システムだけでなく、家の構造や住む人に合った換気システムを導入するのも良いでしょう。さらに、暮らす人が室内の空気環境に目を向け、こまめな換気の実施、室内の衛生管理に取り組むようにしましょう。
■化学物質、ハウスダスト・粉じんに有効な健康太郎の家システム
室内の空気環境の悪化は、化学物質だけでなく、ホコリ、食べ物のクズ、カビの胞子やダニのフン、花粉などのハウスダストも原因と言われています。さらに、PM2.5やタバコの煙やニオイ、ペットのニオイや毛なども室内環境に悪影響を及ぼすとされています。
空気環境の改善には、窓を開けての換気が有効です。これから家をつくるなら、室内の空気の質を改善し、消臭効果も期待できる換気システム「健康太郎フィルター」を備えた「健康太郎の家システム」がおすすめです。
フィルターを通して綺麗な空気を屋内に送り込み、有害物質やダニ、カビの胞子などを取り除くだけでなく、専門機関の実験でもタバコに対する有効性が認められています。また、室内にハウスダストなどを持ち込まないために、玄関の近くに、コートや上着掛け、手洗い場、換気機能付きのウイルス対応ルームを設置するのも良いでしょう。
綺麗な空気を維持しやすい住まいづくりを
シックハウス症候群は、過去の病気ではありません。社会問題として大きく取り上げられたのは1990年代。2003年に建築基準法が改正されましたが、現代も様々な問題を抱えています。
室内で発生する化学物質を減らすために自然素材を選んだり、化学物質を含む生活用品の使用を控えたりするのも良いでしょう。そして、換気しやすい家をデザインし、住む人やライフスタイルに合った換気システムを導入して綺麗な空気を維持しやすい家づくりをしましょう。
なお、栃木県で家づくりを検討されている方は、ぜひ「健康太郎の家」にご相談ください。今回ご紹介したシックハウス症候群について家づくりの観点から解決策をご提案します。ご予算・ご要望に応じた住まいをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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