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綺麗な空気で暮らすには?健康に配慮した住まいづくり
建築コラム
2024/01/12

綺麗な空気で暮らすには?健康に配慮した住まいづくり

近年、室内の空気汚染が問題になってることをご存知ですか?
ぜんそくやアトピーなどのアレルギー症状、不眠や慢性的な疲労といった心身の不調。家の劣化や空調設備の不具合など、身のまわりで気になっていることはありませんか?様々な問題は、室内の空気汚染が原因かもしれません。

この記事では、住宅の空気環境の真実、悪化の原因と対策について紹介します。

住宅の空気は外よりも汚染されている?

住宅の空気は外よりも汚染されている?
アメリカの環境保護庁(EPA)は、「多くの建物において、室外よりも室内から多種類の化学物質が高い濃度で検出されています」「室内で検出される化学物質は数千種類以上」という、驚きの調査結果を発表しています。さらに、化学物質が健康に及ぼす影響についても触れ、しかるべき対策をとるべきと警笛を鳴らしています。また、厚生労働省の調査でも、「室内の空気は室外よりも約7倍も汚染されている」という結果が出ています。

日本人は、生活時間の約9割を室内、6割~8割は家の中で過ごすと言われています。そのため、住宅の空気環境が、暮らしや健康に大きな影響を与えると言っても過言ではありません。

ではなぜ、住宅をはじめとする室内の空気環境は、悪化してしまうのでしょうか。

住宅の空気環境が悪化する様々な原因


空気環境の悪化は、化学物質やハウスダストなど様々な原因があると考えられています。

■塗料・接着剤・防蟻剤など住宅に潜むもの
ホルムアルデヒドやトルエンといった成分や、シックビル症候群やシックハウス症候群などの健康被害については、ご存知の方も多いと思います。建材、塗料や接着剤などに含まれる化学物質が原因とされ、たびたび社会問題にもなっています。いまは法整備が進み、使用制限なども設けられていますが、住宅の空気汚染の原因のひとつと言えます。

■PM2.5、排気ガスなど室外から入ってくるもの
近年、環境省や多くの都道府県で速報値が発表されるようになり、健康への影響が心配されているPM2.5。
PM2.5は、空気中に浮遊している非常に小さい粒状のものです。ゴミなどの焼却から直接発生したり、火力発電所や工場などから排出される化学物質、排気ガス、河川や土壌で汚染された物質と空気中で混ざり合うことで発生します。

■さまざまなハウスダスト
ハウスダストは、室内に溜まったホコリの中でも、特に1mm以下の目では見えにくいもののことを言います。食べ物のクズ、髪の毛やフケ、ホコリなど生活の中で発生するもの、カビの胞子やダニのフン、花粉など、室内に漂っているもの。さらには、タバコの煙、芳香剤や殺虫剤といった、私たち自身が生活に取り入れたものもハウスダストです。

室内の空気汚染を放置するとどうなる?

室内の空気汚染を放置するとどうなる?
家の空気汚染は、知らず知らずのうちに、自分や家族の健康をむしばんでいる可能性があります。ある調査では、「住環境の変化がアレルギー疾患の急増要因のひとつ」という考えも示されています。花粉症、ぜんそくやアトピーといったアレルギー症状を訴える人が急増しているのも、室内の空気汚染が深刻化しているからかもしれません。

では空気汚染は、身体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。

■免疫力低下
免疫力は、身体を病気などから守る自己防衛システムのことで、コロナ禍において、その重要性は知られるようになりました。室外にもカビやウイルス、化学物質は存在しますが、室内の空気環境が汚染されていると、粘膜が攻撃を受け続けることになります。免疫力が徐々に低下し、目・鼻 ・のどの不調、皮膚の乾燥など、様々な不調として表れます。

■呼吸器系疾患のリスク
空気汚染と呼吸器系の疾患は、蜜月の関係と言われています。免疫力が低下することで、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるだけでなく、慢性気管支炎やぜんそく、肺気腫など呼吸器系の疾患を引き起こす可能性もあります。

■アレルギー症状(アトピー・ぜんそくなど)の悪化
ホコリや細菌、ウイルスなどが含まれた空気を体内に取り込むと、撃退するために免疫が機能します。免疫が機能することで、アトピーなどの皮膚疾患、ぜんそくなどの呼吸器疾患が悪化する可能性があります。

■冷暖房設備の効率が落ちる
エアコンは、室内の空気を吸い込んで冷やしたり暖めたりすることで、室温を調節しています。そのため、室内の空気中に多くのホコリなどが含まれていると、エアコンのフィルターや通気管、ファンなどに負荷がかかってしまいます。機能がうまく発揮されないだけでなく、電気代もかかったり、故障の原因にもなりかねません。

■生活や仕事の質が落ちる
空気汚染によって引き起こされる免疫力の低下は、様々な不調や病気の原因となり、健康上の不安を抱えることになります。さらに、集中力が続かず仕事や家事の効率が下がるなど、生活の質にも悪影響を及ぼすと考えられます。

■家の劣化が進む
湿度により発生した結露、ダニやカビは家そのものを傷め、耐久性の劣化を招いて寿命を縮めてしまいます。

今日からできる空気汚染の対策

今日からできる空気汚染の対策
家の空気環境が悪化する原因や、健康への影響はおわかりいただけたと思います。ここからは、今日からできる空気汚染対策を8つご紹介します。

■こまめな掃除
ウイルスや化学物質、ハウスダストは、家具や家電、床にたまると目立ちますが、常に空中に漂っています。蓄積してしまうと簡単に落ちなくなるため、こまめに掃除することが大切です。
また、掃除の順番は、モップなどでホコリを取り除いてから掃除機をかける。掃除後に窓を開けて換気するようにしましょう。

■空気の換気
窓を開けて、室内の空気を入れ替えましょう。対角線上にある窓や扉を開け、空気の通り道をつくることがポイントです。ただし、花粉症の時期やPM2.5の飛来が予測されている時は、逆効果になる場合もあるため注意しましょう。
高層階で窓が開けられない構造や、窓がひとつしかない場合は、換気扇をまわすのもおすすめです。

■ダニ対策
カーペット、ベッドや布団、ソファ、クッションなど、様々な場所にダニは潜んでいます。日光に当て、叩いて取り込むだけでは、ダニ対策にはならないと言われています。水洗いや、ふとん用ノズルをつけた掃除機でゆっくり吸い取るようにしましょう。
また、クローゼットやタンスには、床や壁にスノコを入れて空間を作り、空気が流れるようにするのもおすすめです。
ダニの駆除剤や防ダニシートは、ダニ対策としては有効ですが、別のアレルゲンになる可能性もあるので注意が必要です。

■衣服や髪の払い落とし
ハウスダスト対策として、室外から空気汚染の原因物質を持ち込まないのも重要なポイントです。家に入る前にしっかりと服や髪を払い、ホコリや花粉などを落としましょう。また、すぐに手洗いやうがいをすることも効果的です。

■空気清浄機を使用する
花粉やハウスダスト、PM2.5などの除去のほか、除湿・加湿機能、脱臭フィルター付など、様々な空気清浄機が販売されています。室内にハウスダストが留まりやすい気密性の高い家、換気が難しい家の場合は、空気清浄機を上手に使用しましょう。

■枕カバーや布団カバーを定期的に変える
枕や布団は、入浴後に使っているから綺麗だと思っていませんか?一見、綺麗に見えても、寝汗や皮脂、フケなどによりどんどん汚れていきます。寝汗をかきやすい夏、湿度が高い時期は、ダニや菌を発生・増殖させないためにも特にこまめに洗うようにしましょう。

■定期的に水拭きをする
汚染物質の多くは空気中に舞い上がります。モップや掃除機だけでなく、水ぶきをすることでハウスダスト対策や掃除の効果が高まります。特に、ハイハイする小さなお子さまがいる家では、定期的に水ぶきすると良いでしょう。

■タバコの煙を室内に入れない
タバコの煙は、室内の空気をかなり汚染します。電子タバコや加熱式タバコが普及し、煙はでなくなりましたが、吐き出される呼気には有害物質が含まれています。室内でタバコを吸わないようにするなど、対策をしましょう。

空気が綺麗な家をつくるには?


空気が汚れにくい家をつくることで、健康的で快適な暮らしを手に入れることもできます。そこで、室内環境を良好に保ちやすい家づくりのポイントについて、3つの視点で解説します。

■換気システムで空気の流れをデザインする
2003年に、シックハウス対策として建築基準法が改正され、24時間換気システムの設置が義務化されました。しかし、健康に良い環境を考えた場合、住宅の構造によっては24時間換気システムだけでは換気が不十分とも言われています。そのため、窓を開けての換気も同時にすることが推奨されています。
効率的に換気するため、窓の位置を工夫したり、換気システムを追加導入したりすることで、空気の流れをつくることが重要です。

・窓の位置を工夫する
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下に移動するという性質があります。この性質を活かし、高いところ、低いところに窓をつくったり、空気の流れをよくするために対角線上に窓を配置したりすることで、効率的に空気が入れ替えられます。換気口がついた窓を取り付ければ、閉めたままでも風を取り込むことができます。

・熱交換型換気システムを導入する
熱交換型換気システムは、取り入れる空気と外に出す空気の熱を交換し、室温を保つ方法で、省エネ効果も期待できます。

■体にやさしい建築材料を使う
自然素材の中でも、無垢材、タイルや石材が健康的な素材とされています。
無垢材は、木材を切り出してつくられた木そのものです。抗菌や湿度調整など、木材が持つ機能が空気環境を整えてくれます。タイルや石材は、化学物質を含まないだけでなく、掃除がしやすいというのも魅力です。

■高気密高断熱住宅
気密性と断熱性を兼ね備えた高気密高断熱住宅は、室外の空気・温度の影響を受けにくいだけでなく、綺麗な空気が保ちやすいのも特長です。さらに、省エネ・エコ視点でも注目されています。

・外気が入りにくい高気密住宅
断熱材や防湿シート、気密テープなどを壁の内側や床下などに使用し、隙間がない構造のため外気が入り込むのを防ぎます。

・外気の影響を受けにくい高断熱住宅
断熱材などを、外壁や床下、天井裏などに使用し、室外の温度の影響を受けにくくなります。

室内に空気がこもるのを防ぐために、ハウスダスト対策やダニ対策、結露対策もすることで、より良い室内の空気環境をつくることができます。

長く元気に生活するために、今できること

室外よりも室内の空気が汚染されている事実、その原因と対策、空気が綺麗な家をつくるポイントを紹介しました。

空気環境が悪化したまま放置すると、アレルギーや呼吸器系疾患を引き起こしたり、悪化させたりする可能性もあります。また、住宅の寿命を縮めることにも繋がります。多くの時間を過ごす住宅の空気環境を整えることは、健康のために必要不可欠です。ぜひ一度、家の中を見回してください。そして、こまめな換気や清掃をし、綺麗な空気の家づくりについて考えてみましょう。

なお、栃木県で家づくりを検討されている方は、ぜひ「健康太郎の家」にご相談ください。花粉や黄砂、PM2.5などの影響を最小限に抑える家づくりをご提案します。ご予算・ご要望に応じた住まいをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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