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シックハウス症候群は新築に多い?その真相とできる対策
建築コラム
2024/03/18

シックハウス症候群は新築に多い?その真相とできる対策

念願の新築マイホーム。引っ越して新生活を始めたものの体調不良が続き、住めなくなってしまった……新築と体調不良という2つの言葉を聞いて、シックハウス症候群を思い浮かべる人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この症状は新築の家以外でも起こることをご存じですか?今回は、シックハウス症候群について深掘りします。

シックハウス症候群とは?

高温多湿の日本では、風通しの良い家づくりが主流でした。しかし、災害対策として耐震性や耐火性が重視されるようになり、さらには省エネの観点からも高気密高断熱の家づくりへと変化してきました。そうした中で社会問題になったのが、建材や家具、日用品から発生する化学物質などが原因で引き起こされるシックハウス症候群です。

シックハウス症候群は、その名の通り、家が原因で引き起こされる様々な症状のことです。発生する場所が学校ならシックスクール症候群、欧米ではオフィスビルなどでも発生したことからシックビルディング症候群と呼ばれ、広義の意味ではシックハウス症候群に含む言葉とされています。

ではまず、シックハウス症候群の症状や原因について詳しく見ていきましょう。

主な症状

家の中では不調にも関わらず、外に出ると改善するということありませんか?日常生活が送れないほどの不調ではなく何となく調子が悪い、風邪症状がダラダラと続いている場合は、シックハウス症候群を疑ってもよいかもしれません。

<症状の一例>
■目 チカチカする、かゆみ、目の充血、涙目、乾燥
■鼻 くしゃみ、鼻水、鼻づまり
■耳 耳鳴り
■喉 痛み、咳、イガイガする
■肌 肌荒れ、かゆみ、湿疹

他にも、疲労感、倦怠感、めまい、動悸、息切れ、頭痛、微熱、食欲不振、吐き気などがあげられます。また、ヒューヒューといった喘鳴、ぜんそくを引き起こす可能性があると考えられています。

主な原因

症状が広範囲にわたるだけでなく、原因も様々あると言われています。

■ホルムアルデヒド
シックハウス症候群の原因物質として、ホルムアルデヒドという物質は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。建材や家具、カーペット、合板、断熱材など多くの製品に含まれています。

■揮発性有機化合物(VOC)
VOCとは、大気中で気体になりやすい有機化合物の総称で、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、クロルピリホスなど多種多様な物質が含まれます。建材や家具、壁などに使われる塗料、接着剤などから放出されるVOCは、室内の空気環境を悪化させて健康被害を引き起こすことがあります。
建築基準法により建築材料として使用が制限されている物質もありますが、合板など二次使用や接着剤は規制対象外となっている場合もあります。

■日用品に含まれる化学物質
洗濯洗剤や柔軟剤、除菌剤や芳香剤、殺虫剤などの日用品には多くの化学物質が使用されており、室内の空気環境を悪化させる原因となっています。また、家具やカーペットなどには、染料や接着剤などに化学物質が含まれていることがあります。
もし、家の中だけでなく屋外でも不調が続く場合は、化学物質過敏症の可能性も考えられます。

■ハウスダスト
衣類などの繊維クズ、ダニの死がい・フン、ペットの毛、花粉やPM2.5、タバコの煙、カビ、細菌など、家の中にある小さなゴミの総称がハウスダストです。これらもシックハウス症候群を引き起こす物質とされています。

何か1つが原因で症状が出る場合もあれば、複数が原因となる場合、同じ家で過ごしていても症状が出る人・出ない人がいたりもします。小さな子どもや年配の人、気管支系の疾患やアレルギー体質の人、家にいる時間が長い人は特に注意する必要があると言えますが、誰でも発症する可能性があるため、適切な対策を取ることが大切です。

シックハウス症候群が新築に多いと言われる理由


シックハウス症候群の症状と原因について紹介しましたが、一体どんな家で症状が出やすいのでしょうか。

「シックハウス症候群=新築の家」と、思っている人は多いかもしれません。確かに、揮発性有機化合物(VOC)や化学物質の濃度は、古い家よりも新築やリノベーションした家の方が高い傾向にあります。そのため、新築の家で症状が出やすいと浸透した可能性があります。

しかし、生活することで発生するハウスダストや日用品に含まれる化学物質も原因になることから、築年数の経った家にもシックハウス症候群の原因は潜んでいると言えるでしょう。また、ライフスタイルが原因となって引き起こされる可能性もあります。シックハウス症候群を引き起こす家やライフスタイルについて考えてみましょう。

高気密高断熱の懸念事項

室内の温度や湿度を一定に保ってくれる高気密高断熱の家は、冷暖房効率のアップや省エネなど、生活に快適さをもたらすと同時に、ヒートショック予防など健康面においてもたくさんのメリットがあります。しかし、機密性が高いため、空気が入れ替わりにくいというデメリットも。室内の空気をきれいな状態でキープするためには、こまめに換気を実施したり、24時間換気システムを導入したりすることが必要になります。

新築に関わらず居住者のライフスタイル次第

化学物質が含まれる様々な日用品を使用することは、無意識のうちに室内の空気を汚していることになります。また、ハウスダストも、食事・入浴・睡眠など生活する中でどうしても発生してしまいます。長年住んでいることで、見えない場所にハウスダストが溜まり、カビやダニが発生・増殖している可能性もあります。
こまめな掃除や換気をして原因となる物質を外に出し、室内をきれいな状態で保つことが重要です。

家具やカーテン、カーペットに注意

新しい家でも古い家でも、揮発性有機化合物(VOC)や化学物質を含む素材でつくられた家具を置くことで、室内の空気環境は悪化する可能性があります。
また、カーテンやカーペットなどの布製品にも注意が必要です。外から侵入してくる花粉やPM2.5、タバコの臭いが付着したり、接着剤成分に含まれる成分がシックハウス症候群の原因になったり。ダニの死がい・フン、ペットの毛などが溜まりやすくなるため、こまめな洗濯・掃除が不可欠です。

シックハウス症候群は家の築年数だけでなく、暮らす人のライフスタイルにも関係していることが分かります。

家づくりでできるシックハウス症候群の対策


シックハウス症候群の原因となる物質の発生を減らし、室内の空気環境をきれいに保つために、家づくりでできる対策を4つ紹介します。

自然素材を使用

壁や天井、床などの建材には、化学物質の含まれていない無垢材、珪藻土、漆喰といった自然素材の物を使用するのがおすすめです。

<自然素材を使うことで得られるメリット>
■調湿効果
自然の素材がもともと持つ吸湿力や放湿力作用です。湿度が高い時は水気を吸収し、乾燥している時は放出してくれるため、湿度を一定に保つ効果が期待できます。

■殺菌効果
漆喰は強いアルカリ性を有しているため殺菌作用があると言われています。

■防虫効果
天然木は自己防衛機能としてフィトンチッドという殺菌力のある物質を放出しています。フィトンチッドには、消臭効果やリラックス効果もあるとされています。

また、建材を決める際には、JIS・JASが認定したホルムアルデヒドを発散する「F☆☆☆☆(エフフォースター)」を選ぶのが良いでしょう。「F☆☆(エフツースター)」「F☆☆☆(エフスリースター)」と安全性に応じてランクがあり、「F☆☆☆☆(エフフォースター)」は最上級ランクです。ヒノキやスギなどの香り成分はダニの繁殖を抑え、ヒノキ、コウヤマキ、サワラ、ヒバにはシロアリ対策に有効な成分が含まれていると言われています。手間がかかるかもしれませんが、健康的に長く住み続けるためにも、使用する建材に化学物質が含まれていないか、素材の持つ性質を確認するのも良いでしょう。

壁紙や家具を配慮

家づくりの土台となる建材だけでなく、壁紙や壁紙を貼る時の接着剤、床に塗るワックス、取り付ける家具などにも化学物質が含まれていないかをチェックするようにしましょう。
漆喰や珪藻土もつなぎ剤や接着剤などに、シックハウス症候群の原因となる物質が混入している可能性がありますので確認を忘れないようにしましょう。

24時間換気システム

高気密高断熱住宅において、室内の空気環境をきれいに保つには24時間換気システムの設置が不可欠です。一般的に、換気システムにはフィルターも備えてあるため、花粉やPM2.5といったハウスダストの侵入を防ぐ役割も果たしてくれます。
日中閉め切っていることが多い場合も、自動的に空気が入れ替わるため、快適な空気環境が維持しやすくなると言えるでしょう。

掃除しやすい家

忙しい毎日の中で、掃除をするのは大変な仕事です。少しでも負担を減らし、掃除がしやすいように家づくりの段階から工夫することができます。例えば、壁や床の段差をなくしたり、床に物を置かなくてもすむようにクローゼットを設けたり、カーペットではなくフローリングにしたりするのも良いでしょう。
特に、キッチン、浴室や洗面脱衣所、トイレなどの水回りは、デザインや使いやすさに加えて、掃除のしやすさ・乾きやすさなども意識して選ぶのがおすすめです。

家に使われる素材を選ぶこと、掃除や換気のしやすさを考慮したデザイン・設備を導入することが、シックハウス対策として有効と言えるでしょう。

シックハウス症候群の予防・対策をして快適な暮らしを


新築の家だけが、シックハウス症候群を引き起こすのではありません。

新築の場合は建材から放出される化学物質などが原因となり、築年数が経った家ではハウスダストや日用品に含まれる化学物質、生活する中で蓄積されるハウスダストなどがシックハウス症候群の原因となる可能性があります。

どちらのタイミングでもポイントとなるのは、室内をきれいな状態で保つことです。建材選びに配慮したり、こまめに掃除や換気をしたりするなど、シックハウス症候群の原因となる物質を使わない、発生させない。そして、汚れた空気を蓄積させないことが快適な暮らしを守る方法です。

健康太郎の家では、独自の換気システムにより24時間きれいな空気を室内に届けることができます。栃木県内でシックハウス対策のご相談、健康的で快適な住居づくりを検討されている方は、ぜひ「健康太郎の家」にご相談ください。

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